专利摘要:
人工椎間円板が、対向した内面及び互いに反対側に差し向けられている外面を備えた2つの対向したシェルを有する。外面は、隣り合う椎骨に当てて配置されるようになっている。一方のシェルの内面は、ボールを備え、他方のシェルの内面は、ボールの関節運動を規定された範囲内に制限するようになった協働するリングを備える。a
公开号:JP2011512910A
申请号:JP2010547929
申请日:2009-02-27
公开日:2011-04-28
发明作者:ラリ セコン;ステファン;ジェイ デュプレシス;アール;ジョン ハールバート
申请人:キネティック スパイン テクノロジーズ インコーポレーテッド;
IPC主号:A61F2-44
专利说明:

[0001] 本発明は、脊柱又は脊椎インプラントの分野に関し、特に、椎間円板プロテーゼ又は人工椎間円板に関する。]
[0002] 〔関連出願の説明〕
本願は、2008年2月28日に出願された米国特許出願第61/067,545号の優先権主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。]
背景技術

[0003] 脊柱は、極めて柔軟性が高いが、人体に構造及び安定性をもたらす種々の解剖学的コンポーネントで構成された複雑な構造体である。脊柱は、各々が全体として円筒形の形をした腹側本体を有する椎骨で構成されている。隣り合う椎体の対向した表面は、線維軟骨材料で構成された椎間円板(又は「円板」)によって互いに離隔された状態で連結されている。椎体も又、過度の運動を制限し、安定性をもたらすよう互いに作用する人体の複雑な構造によって互いに連結されている。安定性のある脊柱は、身体の動きを不自由にする疼痛、進行性の変形及び神経障害を防ぐうえで重要である。]
[0004] 脊柱の解剖学的構造により、運動(正及び負の方向における並進及び回転)がそれほど大きな抵抗なく起こることができるが、運動範囲が生理学的限度に達すると、運動に対する抵抗が次第に増して運動を漸次且つ制御された停止に至らせる。
椎間円板は、高度に機能的且つ複雑な構造体である。椎間円板は、水を引き付けてそれにより体積を増すことができる親水性のタンパク物質を含む。タンパク質は、髄核とも呼ばれており、かかるタンパク質は、線維輪と呼ばれている靱帯構造体によって包囲されると共に封じ込められている。椎間円板の主な機能は、荷重支持(荷重分配及び衝撃吸収を含む)及び運動である。椎間円板は、これらの重量支持機能により、荷重を或る1つの椎体から次の椎体に伝達する一方で、隣り合う椎体相互間にクッション作用をもたらす。椎間円板により、運動が隣り合う椎体相互間で起こることができるが、その運動範囲は制限されており、それにより脊柱に構造及び剛性が与えられる。]
[0005] 例えば年齢、外傷、疾患等の多くの要因に起因して、椎間円板がこれらの寸法安定性を失い、圧潰し、萎縮し、変位状態又は損傷状態になる場合の多いことが判明している。当該技術分野において知られているように、疾患又は損傷した椎間円板をプロテーゼ及びかかるプロテーゼの種々の変形例又はインプラントで置き換えることが通例である。かかるインプラントのうちの1つは、椎間円板によって占められている空間内に挿入されるスペーサである。しかしながら、かかるスペーサは、結果として、隣り合う椎骨の固定を行い、それにより隣り合う椎骨相互間の相対運動を阻止することが判明している。これにより、問題の椎骨相互間の圧縮力が隣接の椎骨に伝達される場合が多く、その結果、例えば隣りの椎間円板の損傷及び/又は椎間関節の損傷等のような別の合併症が生じることになる。]
[0006] 最近、隣り合う椎骨相互間の種々の度合いの運動を可能にする椎間円板置換インプラントが提案された。幾つかの先行技術のインプラントの例が、次の米国特許、即ち、米国特許第5,562,738号明細書(発明者:ボイド等(Boyd et al.))、同第6,179,874号明細書(発明者:コーセン(Cauthen))及び同第6,572,653号明細書(発明者:サイモンサン(Simonson))に提供されている。]
[0007] 残念ながら、先行技術で教示されている椎間円板置換又はインプラント使用という解決策には、一般に、これらが脊柱の固有且つ生理学的機能を考慮に入れていないという欠点がある。例えば、公知の人工椎間円板インプラントの多くは、運動平面の多くにおいて脊柱の正常な生理学的運動範囲に関して無制約である。先行技術の器具のうちの幾つかは、制約された運動範囲をもたらすが、かかる制約は、正常な生理学的運動範囲から外れている場合が多く、それによりかかる器具は、機能的に無制約になる。さらに、公知の無制約インプラントは、過度の運動を制限するために正常な構造及び多くの場合疾患のある構造、例えば変性した小関節面を利用している。これにより、椎間関節が早期に変性し又は更に編成すると共に脊柱コンポーネントの他の付随的な損傷が生じる場合が多い。]
[0008] 加うるに、先行技術、例えば米国特許第5,562,738号明細書(上述した)及び同第5,542,773号明細書並びに米国特許出願公開第2005/0149189号明細書及び同第2005/0256581号明細書で知られている人工椎間円板の多くは、一般に、隣り合う椎体相互間に植え込まれる球関節(ボール・アンド・ソケット形関節)を有する。かかる器具と関連した問題のうちの1つは、運動に対する制約を設計するのが困難であるということにある。極めて多くの場合、かかる制約は、インプラントに隣接して位置する軟組織によって提供され、その結果、かかる組織構造体に対する制約の度合いが制限されると共に/或いはかかる組織構造体の損傷が生じる。制約が提供される場合であっても、典型的なボール・アンド・ソケット形インプラントは、要望に応じて必要とされる場合のある種々の形式及び種々の度合いの制約を提供するよう容易には改造できない。]
先行技術

[0009] 米国特許第5,562,738号明細書
米国特許第6,179,874号明細書
米国特許第6,572,653号明細書
米国特許第5,542,773号明細書並びに及び
米国特許出願公開第2005/0149189号明細書
米国特許出願公開第2005/0256581号明細書]
[0010] 本発明は、一観点において、一般に公知のボール・アンド・ソケット形設計の特徴を組み合わせているが、器具に組み込み可能な制約の形式及び度合いの観点において少なくとも或る程度の汎用性を含むボールとリングの組み合わせから成る人工椎間円板又はインプラントを提供する。本発明のインプラントは又、運動形式及び回転中心の変化をもたらす。]
[0011] 本発明は、一観点において、各々が隣り合う椎骨の対向した椎体表面に当てて位置決めされるようになった2つの主要な区分又はコンポーネントを備えた人工椎間円板である。これら2つの区分のうちの一方は、凸状支承面を備えた「ボール」構造体を含む。これら区分のうちの他方は、凸状面の少なくとも一部分を受け入れてこれを拘束するようなったリングを含む「リング」構造体を有する。]
[0012] 別の観点では、上述の区分のうちの一方又は両方は、2つの区分相互間の相対運動範囲を制限する1つ又は2つ以上の「ストップ」又は制限構造体を有するのが良い。]
[0013] かくして、一観点において、本発明は、脊柱の隣り合う上側椎骨と下側椎骨との間に植え込み可能な人工椎間円板であって、人工椎間円板は、
‐第1及び第2の互いに協働するシェルを有し、シェルの各々は、対向した内面及び互いに反対側に差し向けられた外面を有し、外面は、椎骨に当てて配置されるようになっており、
‐第1のシェルの内面は、凸状突出部を備え、
‐第2のシェルの内面は、関節運動面及び第1のシェルと第2のシェルを組み合わせたときに凸状突出部を受け入れるようになった運動制約リングを備え、使用の際、第2のシェルの関節運動面は、凸状突出部に接触してこれに当接し、リングは、凸状突出部と第2のシェルの相対運動を制約することを特徴とする人工椎間円板を提供する。]
[0014] 本発明の上記特徴及び他の特徴は、添付の図面を参照して行われる以下の詳細な説明から明らかになろう。]
図面の簡単な説明

[0015] 椎骨の運動範囲の略図である。
一実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
図1の椎間円板の横断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の正面冠状断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
別の実施形態としての本発明の人工椎間円板の正面冠状断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
図11aの人工椎間円板の横断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
図12aの人工椎間円板の横断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎間円板の矢状断面図である。
図13aの人工椎間円板の横断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎体円板の矢状断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎体円板の矢状断面図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎体円板の矢状断面図である。
図16aに示された椎間円板のリングの側面側斜視図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎体円板の矢状断面図である。
図17aに示された椎間円板のリングの側面側斜視図である。
他の実施形態としての本発明の人工椎体円板の矢状断面図である。
図18aに示された椎間円板のリングの側面側斜視図である。] 図1 図11a 図12a 図13a 図16a 図17a 図18a
実施例

[0016] 以下の説明において、「上側(又は上)」、「下側(又は下)」、「前方」、「後方」及び「側方」という用語を用いる。これら用語は、脊柱内に位置決めされたときに本発明のインプラントの向きを説明するためのものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。かくして、「上側」は、インプラントンの頂部を意味し、「前方」は、脊柱が直立した位置にあるときに患者の身体の後ろに向いたインプラント(又は他の脊柱コンポーネント)の部分を意味している。同様に、「下側」という用語は、インプラントの底部を意味するために用いられ、「前方」は、脊柱が直立した位置にあるときに患者の身体の前に向いた部分を意味するために用いられている。添付の図面に示された各図に関し、「冠状」という用語は、側方端部相互間に延び、それにより人体を前方部分と後方部分に分ける平面を指示するものと理解されたい。同様に、「側方」という用語は、冠状平面に平行な位置を意味するものと理解されたい。「矢状」という用語は、前後に延び、それにより人体を側方部分に分ける平面を指示するものと理解されたい。「軸方向」という用語は、人体を上側部分と下側部分に分ける平面を指示するものと理解されたい。理解されるように、これら位置及び向きに関する用語は、本発明を任意発明の向きに限定するものではなく、以下の説明を容易にするために用いられている。]
[0017] 図1は、脊柱と関連した種々の自由度を指示することにより椎骨運動の複雑さを示している。正常な生理学的運動範囲では、椎骨は、「中立ゾーン」と「弾性ゾーン」との間に延びている。中立ゾーンは、椎骨構造体を支持する人体が比較的応力を受けない、即ち、運動に対する人体の抵抗が比較的僅かである全運動範囲内のゾーンである。弾性ゾーンは、運動が運動範囲の限度のところ又はその近くで生じる場合に見られる。このゾーンでは、人体の粘弾性は、運動に抵抗をもたらし始め、それによりかかる運動を制限する。「毎日の」又は典型的な運動の大部分は、中立ゾーン内で起こり、時に弾性ゾーンに続くに過ぎない。中立ゾーン内に収まっている運動は、軟組織構造体に応力を及ぼさず、これに対し、弾性ゾーン内への運動は、種々の度合いの弾性応答を引き起こす。したがって、特に脊柱人工インプラントの分野における目標は、これに隣接した椎骨の運動を中立ゾーンに制限するプロテーゼを提供することにある。かかる制限により、隣接の骨組織構造体及び軟組織構造体に加わる応力が最小限に抑えられる。例えば、かかる運動の制限により、椎間関節の変性が減少する。] 図1
[0018] 一般的に言って、本発明は、損傷し又はこれとは違った仕方で機能不全になっている椎間円板を置換する人工円板又はインプラントを提供する。本発明のインプラントは、隣り合う椎体相互間であるが、好ましくは許容限度内の種々の運動度を可能にするよう設計されている。一実施形態では、本発明は、本発明の人工円板に隣接して位置する椎骨相互間の相対運動を可能にするよう設計されており、かかる運動は、種々の自由度を含むが、好ましくは、規定された範囲に制限される。一実施形態では、本発明の人工円板又はプロテーゼは、隣り合う椎骨相互間の運動を制限する1つ又は2つ以上の「ソフト」及び/又は「ハード」ストップ又は停止部を備えている。具体的に説明すると、本発明の人工円板は、中立及び弾性ゾーン内における正常な運動(即ち、正常な又は無傷の円板と関連した運動)とほぼ同じ回転運動、屈曲運動、伸展運動及び側方運動をもたらす。加うるに、本発明の器具は又、かかる運動の種々の組み合わせ又は結合運動を可能にする。例えば、本発明の円板は、屈曲と並進、側方屈曲と側方並進、又は屈曲と回転を受けることができる。本発明に関する開示内容が与えられると、当業者には種々の他の運動が明らかであろう。]
[0019] 図2aは、本発明の実施形態としての人工椎間円板10を示している。図示のように、円板10は、上側シェル12及び下側シェル14を有している。シェル12,14の各々は、生まれつき備わっている椎間円板が切除された領域内において垂直方向に隣り合う椎体の骨構造体に当てて配置される骨接触面を有している。上述したように、かかる椎間板切除術は、生まれつきの円板に損傷が生じ又は疾患が生じた場合に必要なことがある。上側シェル12は、或る1つの椎骨の下面に当てて配置される上面16を有し、下側シェル14は、それに隣接して位置する垂直方向下方の椎骨の上面に当てて配置される下面18を有する。「上方」及び「下方」という用語は、直立位置にある脊柱と関連して用いられていることは理解されよう。「シェル」という用語が本明細書において用いられるが、かかる用語は、本発明を任意の形状又は形態に限定するものではないということは理解されよう。シェルに当てはまる場合のある他の用語としては、平面状等が挙げられる。「シェル」という用語は、当業者によれば、図示すると共に/或いは本明細書において説明する構造体並びに任意の均等な構造体に当てはまるものと理解される。] 図2a
[0020] 図2aに示されている実施形態では、上側シェル12の下面20にはリング22が取り付けられている。図示の実施形態では、リング22は、下方に垂下した凸状又は全体としてドーナツ形の構造体から成るのが良い。リング22は、上側シェル12に取り付けられても良く、これと一体に形成されても良い。] 図2a
[0021] 図2bは、図2aのリング22を示している。図示の実施形態では、リング22は、前後長さが長く且つ側方長さが短い全体として卵形の構造体から成っている。他の実施形態では、リング22は、リングの目的に関する以下の説明を考慮して必要であれば、円形又は任意他の形状のものであって良い。] 図2a 図2b
[0022] 図2aは又、下側シェル14の上面24を示しており、この上面は、全体として上側の方向(又は上方)に延びる凸状構造体又は「ボール」26を備えている。「ボール」という用語が本明細書において用いられるが、当業者には明らかなように、この用語は、完全な又は部分的な球形構造を意味するものではない。一実施形態では、図2aに示されているように、ボール26は、半球形構造から成っていても良い。他の実施形態では、ボール26は、平面図で見て卵形又は他の形状のものであっても良い。] 図2a
[0023] 人工円板10を椎間腔内に植え込むと、2つのシェル12,14は先ず最初に、上側シェル12の下面が下側シェル14の上面に向いた状態で互いに位置合わせされる。この位置合わせの際、ボール26とリング22は、ボール26がリング22のルーメン内に位置決めされた状態で互いに係合する。次に、この向きの状態で、円板10を隣り合う椎体相互間の椎間腔内に挿入する。この位置では、シェル12,14の外面は、それぞれの椎体と接触状態にある。このようにいったん植え込まれると、一方の椎骨により他方の椎骨に及ぼされる正常な圧縮力は、円板10を定位置に維持するのに役立つであろう。理解されるように、任意他の人工手段を用いて円板の離脱を阻止するのが良い。例えば、シェルの外面は、正しい位置決めを保証するために接着剤又は骨セメント等を備えるのが良い。]
[0024] いったん定位置に位置すると、ボール26の上面は、上側シェル又はプレート12の下面20に接触する。この接触により、隣り合う椎体相互間に所望の離隔距離が得られ、ボール26と表面20の相対運動により、椎体相互間に必要不可欠な関節運動が得られる。さらに、リング22は、ボール26と下面20の相対運動を制約するのに役立つ。即ち、リング22は、表面20上におけるこれに沿うボールの運動の量を規定された関節運動範囲に制限する。ボール26に接触するリング22の表面23を本明細書ではリングの関節運動面と呼ぶ。理解されるように、リング22は、ボール26のための所要の限度又は「ストップ」を提供するのに十分な高さ(上側シェルの下面から下方に測定した高さ)のものであるよう寸法決めされている。典型的な用途では、リング22の高さは、1〜5mmである。しかしながら、理解されるように、例えば関連の解剖学的構造に応じて種々の他のサイズを用いることができ又は必要とする場合がある。本発明は、本明細書において言及する場合のある任意の特定の寸法には限定されず、人の椎骨の任意の椎間板腔、即ち頸椎部、胸椎部又は腰椎部内に嵌まるよう改造可能である。さらに、上述すると共に以下に更に説明するように、リング22は、並進、側方曲げ、屈曲、伸展及びかかる特定の運動のうちの1つ又は2つ以上を含む任意の結合運動を含むボール26の種々の運動を制限し又は制約するよう寸法決めされるのが良い。したがって、この設計における融通性により、本発明の人工円板は、生まれつき備わっている円板とほぼ同じように機能することができ、しかも、奇形の矯正又は予防を可能にする。]
[0025] 一実施形態では、図2aに示されているように、リング22は、そのルーメン内の最も小さな長さがボール26の直径よりも大きいように寸法決めされている。この構成により、ボール26は表面20に接触することができ、しかも、リング22によって制限される前にボールの或る程度の移動度が可能になる。上述したように、一実施形態では、リング22は、卵形の形状のものであるよう寸法決めされている(図2bに示されている)。したがって、これにより、ボール26は、一方の方向に他方よりも移動しやすくなるということが可能である。上述の例では、リング22は、側方長さよりも長い前後方向長さを備えている。したがって、これにより、前後方向におけるボール26のそれ以上の移動が可能である。これは、脊椎関節に伝わり、脊椎関節は、側方屈曲と比較して、より大きな屈曲及び伸展を可能にする。また、これらの方向におけるボール26の運動を可能にすることにより、結合運動、例えば側方屈曲と関連した屈曲が可能になることは理解されよう。] 図2a 図2b
[0026] 上述したように、一実施形態では、ボールは、断面が半球形であるのが良いが、その形状は、寸法が任意の方向に様々であって良い。かくして、ボール26は、前後方向及び/又は側方の方向に細長くなった半球形又は凸状の形状のものであって良い。一般に、ボール26は、椎骨運動の所望の量及び形式を提供する任意の凸状の形状のものであって良い。このようにボール26の構造が変化に富むことにより、多種多様な運動がリング22の物理的制約の範囲内で起こることができる。以下に更に説明するように、ボール26それ自体には別の運動上の制約が与えられる場合がある。]
[0027] 図2aは、ボール26が下側シェル14の上面24上の中央に配置されている状態を示しているが、理解されるように、これは、本発明を限定しようとするものではない。他の実施形態では、ボール26は、所望の運動に応じて、表面24上の種々の場所の任意のところに位置決め可能である。理解されるように、表面24上におけるボール26の位置を変えると、その結果として、円板10の回転中心が変化する。例えば、一実施形態では、ボールは、下側シェル14に後方に設けられても良い。下側シェル14に対するボール26の位置を変化させることにより、円板10に種々の運動又はオプションとしての関節運動を与えることが可能である。] 図2a
[0028] 他の実施形態では、下側シェル14は、リング22の運動に抵抗を与えるようになっているのが良い。一実施形態では、下側シェル14は、ボール26上におけるこれに沿うリング22の運動を制限する1つ又は2つ以上のハードストップ又はバンパを備えるのが良い。「ハードストップ」という用語は、物理的運動リミッタを意味するものと理解されたい。特に、「ハードストップ」は、上述の弾性ゾーンを越えないように運動を制限するのに役立つ。他方、「ソフトストップ」は、弾性ゾーンにいったん入ると、運動の制限を開始するのに役立つ。本発明の実施形態によれば、かかるストップは、ボールの周りでシェル中に任意の距離のところに組み込まれても良く又はボールそれ自体の一部として形成されても良い。一観点では、ハードストップは、ボール22の最大高さよりもほんの数ミリメートル低い高さのものであるのが良い。]
[0029] かかるハードストップの一例が図3に示されており、この場合、上述した要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“a”を追加した状態で示されている。図示のように、ハードストップ28は、側方屈曲を制限するようボール26aのいずれかの側に側方に位置決めされるのが良い。即ち、ハードストップ28は、ボール26の表面上におけるこれに沿うリング22aの側方(即ち、冠側への)運動のバリヤとなる。図3に示されているストップ28は、上述の目的に適う長さであれば任意の長さのものであって良い。] 図3
[0030] 別の実施形態では、ハードストップ28は、前後方向における屈曲を制限するよう前方に配置されるのが良く、更に別の実施形態では、これらハードストップは、後方に配置されても良い。運動を制約するためのハードストップを提供するのに任意の組み合わせを用いることができる。ハードストップは、丸形エッジを備えた長方形からドームまで任意の形状のものであると共に可変高さのものであって良い。理解されるように、一実施形態では、ハードストップ28は、かかる運動の制限が必要な場合にあらゆる方向の運動を制限するために設けられても良い。「バンパ」28は、種々の形状のものであって良く、例えば、直線状又は湾曲状である。同様に、他の実施形態では、かかるハードストップが必要ではない場合があることは理解されよう。]
[0031] 上述のハードストップ機能の別の実施形態が図4に示されており、この場合、上述の要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“b”を加えた状態で示されている。図4に示されているように、図3に示されているような下側シェル14に設けられている「バンパ」28に代えて、ボール26bの1つのエッジ、図示の場合、前方エッジは、図示の実施形態では、ボールに隆起延長部30として形成されたハードストップを備えるのが良い。図示のように、延長部30は、ボール26bに隣接して位置する凹状部分32を備えた下面を有し、この凹状部分は、以下に更に説明するように「ソフトストップ」としての役目を果たす。凹状部分32は、ボール26bの最も下の高さ位置と最も上の高さ位置との上の高さ位置でボール26bの前方エッジから延びていて、円板10bの前方端部に向かって上方に湾曲している。延長部30は、凹状部分32の前方にエッジ34を有し、このエッジは、ハードストップとして作用する。図4に示されている構成は、インプラントの領域における脊柱の屈曲が制限される状況で用いられるのが良い。理解されるように、屈曲中、リング22bの前方エッジは、ボール26bの上面上でこれに沿って前方に移動し、先ず最初に、凹状部分32に遭遇する。凹状部分32は、その上方に湾曲した表面に起因して、リング22の運動をゆっくりと制限するよう働き、それにより、屈曲運動のソフトストップとしての役目を果たす。リング22bの前方エッジの運動が続くと、エッジ34に遭遇し、それ以上の運動が阻止される。かくして、エッジ34は、屈曲運動のハードストップとしての役目を果たすと共に器具が異常な又はおそらくは望ましくは位置合わせ状態になる傾向を制限する。] 図3 図4
[0032] 別の実施形態では、ハードストップは、側方屈曲を制限するようボールの最大高さよりもほんの数mm低い高さ位置に合わせてボール26bの各側に側方に配置されても良い。 本発明の別の実施形態が図13a及び図13b(ひとまとめにこれらを図13と称する)に示されており、この場合、上述した要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“c”を加えた状態で示されている。この実施形態では、ハードストップ36が下側シェル14cの上面24cに設けられており、かかるハードストップは、ボール26cのすぐ隣りに位置決めされており、或いは、ボール26cの一部として形成されても良い。ハードストップ36は、機能が図3に示されているハードストップとほぼ同じであるが、ボール26cの前方エッジのところにのみ位置決めされている。図4に示されているハードストップの場合と同様、図13のハードストップ36は、屈曲を制限すると共に異常な又はおそらくは望ましくない位置合わせを阻止するのに役立つ。この場合、ハードストップ36は、屈曲運動に対して漸次軽減をもたらすわけではない。したがって、図13に示されている構成は、屈曲を制限すると共に脊柱後弯を矯正すると共に/或いは制限することが望ましい場合に用いられるのが良い。] 図13a 図13b 図3 図4
[0033] 同様に、本発明の別の実施形態は、伸展を制限するよう下側シェル14に後方に設けられたハードストップ36(又は図4の延長部30)を有する。別の実施形態では、かかるハードストップの組み合わせが任意の方向に又はボールに対して円周方向に配置されても良く、かかる組み合わせを用いて任意の方向又はあらゆる方向における運動を制約することができる。かくして、ボールと関連したストップは、運動を1つ又は2つ以上の平面内に制限するよう多くの仕方で様々であって良い。ストップは、任意形状のものであって良く、例えば長方形又は凸状、例えばドーム状である。ストップは、これら相互について同種又は異種材料のものであって良く、或いは、シェルと比較して同種又は異種材料のものであって良い。さらに、ストップは、丸形エッジ又は任意他の所要の形状を備えることができる。加うるに、ストップは、当業者には理解されるように任意高さのものであって良い。さらに別の実施形態では、円板10は、ボール26と関連した停止部を備えていなくても良く、それにより、リングは、ボールの最大表面領域上でこれに沿って関節運動することができる。] 図4
[0034] 本発明の別の実施形態が図5に示されており、この場合、上述の要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“d”を加えて示されている。図5に示されているように、上側シェル12dは、ウェル38を備えるのが良く、このウェルは、ボール26dの一部分を受け入れるようになった凹状領域を有する。理解されるように、ウェル38は、ボール26dを位置決めするための定位手段として役立つと共に或いはボールを制約する別の手段として役立つ。リング22dと関連して、ウェル38を設けることにより、ボール26dの運動を制約する目的でボール26dと接触する表面領域が広くなる。したがって、理解されるように、ウェル38は、更に、リング22dに対する摩耗効果を減少させるのに役立つ。図5のウェル38は形状がボール26dと幾分相補するものとして示されているが、かかる相補性は、本発明を限定するものではないということは理解されよう。すなわち、ウェル38は、種々の制約手段を提供するよう種々の寸法形状のものであって良い。] 図5
[0035] 本発明の別の実施形態が図6に示されており、この場合、上述の要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“e”を加えた状態で示されている。図6は、円板10eが軸方向力、即ち、脊柱に沿って軸方向に伝達される力を吸収する手段を備えた実施形態を示している。かかる力吸収を可能にするため、円板10eは、下側シェル12e及び上側シェル14eの一方又は両方に1つ又は2つ以上の弾性要素を備えるのが良い。図6に示されている実施形態では、ボール26eは、核状体40により下側シェル14eの上面24eから離隔されている。核状体40は、任意公知の弾性材料、例えばヒドロゲル、シリコーン、ゴム等から成っていても良く、或いは、機械的器具、例えばばね等から成っていても良い。理解されるように、軸方向力が円板10eに加えられると、核状体40は、かかる力のうちの何割かを吸収し、それにより或る程度のクッション作用を提供すると共にボール26eとリング22e及び/又は上側シェル12eとの間の圧力を発生阻止し又は最小限に抑える。一実施形態では、図16に示されているように、ボール26eは、核状体40の体積のうちの多くを収容するよう部分的に中空であるのが良い。かかる構成では、核状体40は、中空ボール24e内に配置されるようになった隆起部分又は区分を有する。かかる構造は、ボール26eを下側シェル14eに対して確実に位置決めするうえで有利な場合がある。即ち、図6に示されている実施形態の場合と同様、下側シェル14eから遠ざかって延びる突出部分を備えた核状体40は、下側シェル14eの上面24eに固定されるのが良い。核状体40の突出部分を受け入れるようになった中央キャビティを備えたボール26eは、核状体40を覆って位置決めされ、その結果、突出部分がボールのキャビティ内に挿入されるようにする。かかる場合、ボール26eは、下側シェル14eに固定され又は直接取り付けられる必要はない。というのは、核状体は、ボールと下側シェル14eの任意の相対運動を阻止し又は制限するのに役立つからである。このように、ボール26eは、核状体40上で「浮動する」ものとして説明できる。] 図6
[0036] 弾性力吸収手段の別の実施形態が図10に示されており、この場合、上述した要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“f”を加えた状態で示されている。図10では、円板10fのボール26fは、上述したように下側シェル14fの上面24fに固定されている。この場合、シェル14fの下面18fに当接するばね42が設けられている。理解されるように、ばね42の反対側は、隣接の椎骨の1つ又は複数の骨部分又はかかる椎骨に取り付けられた任意の表面又は構造体(例えば、プレート等)に当接するのが良い。ばね42は、上述した核状体40とほぼ同じように機能する。しかしながら、図10に示されているように、図示の構成では別の利点が得られる。具体的に説明すると、ばねが円板10fの1つのエッジにのみ当てて位置決め可能なので、円板は、隣接の椎骨を任意の所望の仕方で位置合わせするようあらかじめ設定された位置決め方式を備えることができる。例えば、図10に示された実施形態では、ばね42は、円板10fの前方エッジのところに配置され、それにより、上側に隣接して位置する椎骨(図示せず)を後方に傾斜させることができる。理解されるように、かかる構成は、上述のクッション機能を提供するのに加えて、脊柱後弯を矯正し又は予防するのにも役立つであろう。図10の上述の説明にあたり、ばね42は、下側シェル14fと下側に隣接して位置する椎骨との間に配置されるものとして説明された。しかしながら、別の実施形態では、ばね42は、ボール26fと下側シェル14fとの間に同様に位置決めされても良く、この場合でも同一の機能を達成する。加うるに、「ばね」という用語は、要素42を説明するために用いられているが、機能がほぼ同じ任意の器具を円板10fに用いることができるということは理解されよう。例えば、ばね42は、機械式器具、例えばコイルばね又は板ばねであっても良い。変形例として、ばね42は、くさびの形をした又はこれと同様に角度のついた弾性核状体から成っていても良い。図10は、後方に傾斜した下側シェル14fを示しているが、理解されるように、かかる傾斜は又、脊柱後弯が必要であり又は促進されるべき場合(例えば、脊柱前弯が予防されるべき又は矯正されるべき領域、例えば脊柱胸椎部)では前方方向であっても良い。] 図10
[0037] 別の位置調節手段が図7に示されており、この場合、上述した要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“g”を加えた状態で示されている。図7では、円板10gは、上側シェル12gに対して傾斜した上面24gを備えた下側シェル14gを備えている。かかる傾斜に起因して、ボール26gは、上側シェル12g及びリング22gに対して同様に角度をなして配置されている。理解されるように、かかる構造は、図10と関連して上述したような脊柱後弯を予防し又は矯正するのに役立つ。しかしながら、図10とは異なり、図7の円板10gは、必ずしも力吸収装置を備える必要はない。下側シェル14gに所望の傾斜を達成するため、下側シェルは、図7に示されているようにくさびとして形成されるのが良い。変形例として、下側シェルは、2つのセグメントをなして形成されても良く、それにより、分離要素(図示せず)により下面18gと上面24gが互いに離隔される。かかる離隔要素は、例えば図10を参照して上述したばねから成るのが良いことは理解されよう。かかる場合、図7の円板10gは、力吸収手段を更に有する。また、図7のボール26gは、図6を参照して上述した核状体を有するのが良く、それにより図7の円板10gには軸方向力を吸収する手段も又与えられることは理解されよう。図7は、後方に傾斜した下側シェル14gを示しているが、理解されるように、かかる傾斜は又、脊柱後弯が必要であり又は促進されるべき場合(例えば、脊柱前弯が予防されるべき又は矯正されるべき領域、例えば脊柱胸椎部)では前方方向であっても良い。] 図10 図6 図7
[0038] 上述の説明の大部分は、本発明の下側シェル14及び/又はボール26に具体化できる変形例に焦点を当てている。しかしながら、同様な仕方で、上側シェル12及び/又はリング22も又、種々の位置及び機能を達成するよう様々であって良い。例えば、一実施形態では、リングは、種々の寸法形状の状態で形成できる。これらは、リング22の制限エッジの高さのバリエーション及びその形状のバリエーションを含み、かかる形状のバリエーションとしては、円形、卵形及び長方形等が挙げられる。例えば、リング22の形状を変化させることにより、形状及びボールとの関節運動を行う領域も又、変えられ、それによりボールの運動の制約を必要に応じて自由に設定できるということは理解されよう。同様に、上側シェル12上におけるリング22の配設場所も又ボール26の位置にマッチするよう変えることができる。加うるに、上側シェル12は、上側シェルと下側シェルの相対運動を制約し又は制限するための上述したストップとほぼ同じ1つ又は2つ以上の「ストップ」、例えばハードストップ及び/又はソフトストップを備えるのが良い。かかるストップは、上側シェルに取り付けられた別個の要素から成っていても良く、或いはリング22それ以上の一部をなしていても良い。例えば、一実施形態では、ストップは、リングの隆起エッジから成っていても良い。本発明の別の例及び観点について以下に更に説明する。]
[0039] 上側シェルの変形例を示す本発明の実施形態が図11a及び図11b(ひとまとめにこれらを図11と呼ぶ)に示されており、この場合、上述した要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“h”を加えた状態で示されている。図11では、リング22hは、26hよりも大径であるよう寸法決めされている。この実施形態では、円板10hの関節運動は、主として上側シェル12hの下面20hとの間の接触を含むことは理解されよう。換言すると、ボール26hは、リング22hによって妨げられることなく下面20hの一部分上でこれに沿って並進運動することができる。かかる並進運動は、例えば、中立ゾーン内における運動を含むのが良い。しかしながら、リング22hは、ボール26hがかかる領域を越えて移動するのを制限するのに役立ち、それにより「ハードストップ」としての役目を果たす。] 図11a 図11b
[0040] 上述したリング22hの一変形例が図12a及び図12b(これらをひとまとめに図12と呼ぶ)に示されており、この場合、上述した要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これに文字“j”を加えた状態で示されている。この実施形態では、円板10jは、上側シェル12jに設けられたリング22jを備え、このリング22jは、幅寸法が小さくなっていて、あらゆる運動中、即ち円板10jの関節運動中、ボール26jの少なくとも一部分と接触関係をなすよう設計されている。理解されるように、かかる構成は、ボール26jとの常時接触により引き起こされる上側シェル12jの下面20jの摩耗を最小限に抑えるのを助ける。加うるに、かかる構成は、側方屈曲を制限する一方で、全屈曲及び伸展範囲を可能にする。] 図12a 図12b
[0041] 図12bは、リング22jの別の特徴、即ち、側方寸法と比較して大きな前後寸法を示している。理解されるように、かかる構成は、矢状平面内における運動の大きな自由度及び冠状平面における運動の制限された量をボール26jに与えるのに役立つ。別の実施形態では、リング22jは、冠状平面において細長くなっていても良く、それにより反対の作用効果が達成される。かくして、理解されるように、リング22の寸法を調節することにより運動の任意の組み合わせを自由に決定することができる。] 図12b
[0042] 本発明の別の実施形態が図14及び図15に示されており、この場合、上述の要素とほぼ同じ要素は、分かりやすくするために同一の参照符号であるが、これにそれぞれ文字“m”又は“n”を加えた状態で示されている。上述の実施形態では、リング22を凸状外面、特に関節運動面、即ちボール26に接触する表面を有するものとして説明した。しかしながら、図14及び図15にそれぞれ示されているように、リング22m及びリング22nは、変形例として、凹状関節運動面を有しても良く、それにより、リングとボールとの間の相互作用が変わる。両方の場合において、リング22m及びリング22nは、それぞれ、ボール22m及びボール22nに接触する形状が凹状の関節運動面を有する。かかる凹状をリングの周囲全体に沿ってぐるりと又は或る特定の場所にのみ施すことができる。同様に、リングに設けられる湾曲の度合いを変化させることができる。例えば、図示の2つの実施形態に示されているように、図14は、図15に示されているリング22nの曲率の度合いよりも大きな曲率の度合いを備えた関節運動面を有するリング22mを示している。リングの凹状関節運動面により、設けられた曲率の度合いを変化させることによって、例えば屈曲運動、伸展運動、側方曲げ運動又はこれらの任意の組み合わせのような運動を制御することができる。即ち、凹状関節運動面は又、ボールの運動に対する漸変抵抗をもたらすことができ、それにより、例えば、中立ゾーン内における運動を当初容易にするが、弾性ゾーンにおける運動に対しては大きな又は次第に大きくなる抵抗をもたらすことができる。かかる抵抗は、ボールに対して提供される抵抗として理解されよう。別の実施形態では、リングに設けられる曲率の度合いは、配設場所相互間で様々であって良い。例えば、大きな曲率度を前方領域及び後方領域ではなく、側方領域に設けるのが良い。したがって、これにより、屈曲又は伸展に関する抵抗よりも側方曲げに対する抵抗の方が大きくなる。別の実施形態では、リングの曲率は、例えば、リングの前方エッジのところの曲率の度合いを大きくすることにより屈曲を阻止するよう変更可能である。別の実施形態では、リングは、一定の又は可変湾曲関節運動面と非円形形状の両方を備えるのが良い。例えば、リングは、長軸が全体として矢状平面に平行な卵形の幾何学的形状から成っていても良い。かかるリングの前方関節運動面及び後方関節運動面は、側方関節運動面よりも曲率の度合いが小さいのが良い。かかる変更についてのそれ以上の説明を図16〜図18を参照して以下に行う。] 図14 図15
[0043] 図8及び図9は、本発明の別の実施形態を示している。上述の要素とほぼ同じ要素を示す場合、分かりやすくするために同一の参照符号を用いるが、これに文字“p”が加えられている。図8及び図9に示されているように、上側シェル12pは、凸状曲率を備えており、その外側エッジは、下側に湾曲している。理解されるように、上側シェル12pの曲率の度合いは、図8及び図9に示されているように様々であって良い。上側シェル12pのかかる曲率は、椎骨上のエンドプレート又は終板の生まれつきの湾曲した形状と一致するよう働く。理解されるように、上側シェルがかかる曲率を有するものとして図8及び図9に示されているが、下側シェル14pは、同様に、隣接のエンドプレートの曲率に一致したかかる相補曲率を備えるのが良い。図8及び図9に示されているように、上側シェル12pは、ボール26pの運動を制約するリング22pを更に有する。したがって、かかるリング22pも又、上側シェル12pの曲率を取るよう設計されているのが良い。かくして、この実施形態によれば、ボール26pは、矢状平面又は冠状平面のいずれか一方又は両方内において上側シェル12pのなだらかに傾斜した曲率上でこれに沿って運動するよう制約されるのが良い。] 図8 図9
[0044] 図16a、図17a及び図18aは、本発明の他の実施形態を示している。上述の要素とほぼ同じ要素を示す場合、分かりやすくするために同一の参照符号を用いるが、これに文字“r”、“t”、“u”が加えられている。図16a、図17a及び図18aは、下側シェル14、ボール26及びストップ36が図13を参照して上述した仕方とほぼ同じ仕方でボール26の前方エッジのところに設けられた状態で示されている。上述したように、ストップ36は、ボール26の前方エッジのところに設けられるものとして示されているが、かかるストップは、事実上、要望に応じて任意の位置に且つ必要ならば2つ以上の場所に配置できる。下側シェルのこの構造は、図16a〜図18に示されている実施形態を限定するものではないということが仮定されている。] 図16a 図16b 図17a 図17b 図18a 図18b
[0045] 図16aは、図14及び図15に示されている上側シェルとほぼ同じ上側シェル12rを示している。即ち、上側シェル12rは、上側シェル12rの全体として平らな下面20rに設けられたリング22rを有している。この実施形態のリング22rは、図14及び図15を参照して説明した目的のために凹状に湾曲した関節運動面23rを有している。図17aは、図16aの円板の変形例を示している。図17aでは、円板10tは、凹状に湾曲した下面20tを備えた上側シェル12tを有している。即ち、下面20tの外側エッジは、下側に湾曲している。図16aの場合と同様、リング22tも又、凹状に湾曲した関節運動面23tを有している。同様に、図18aは、円板10uが凸状に湾曲した下面20uを備えた上側シェル12uを有している変形例を示している。図16aの場合と同様、リング22uも又、凹状に湾曲した関節運動面23uを有している。] 図14 図15 図16a 図17a 図18a
[0046] 図16a〜図18aに示されているように、下面20が湾曲しているので、リング22も又、同様な曲率を取るようになっている。関節運動面23の曲率と共にリング22のかかる全体的曲率は、ボール26の運動のために与えられる制約の量及び度合いを定めると共に制御するのを助けるものと理解されよう。例えば、図17aに示されているように、下面20tの曲率は、矢状平面内において凹状であるものとして示されている。かくして、この向きは47後方向における、即ち屈曲及び伸展中におけるボールの運動に次第に抵抗するのに役立つ。上述したように、オプションとしてのストップ26t(又は、2つ以上のストップが設けられる状況では複数のストップ)は、所与の方向における運動を阻止するハードストップとなる。同様に、冠状平面内における下面20tの凹状曲率は、側方曲げを阻止する。] 図16a 図16b 図17a 図17b 図18a
[0047] 図18aの場合、凸状曲率は、運動を助長するのに役立つことは理解されよう。上述の説明の当然の結果として、図18aに示されている下面20uの凸状曲率は、矢状平面か冠状平面かのいずれであっても良いことは理解されよう。さらに、図17a及び図18aを参照して説明した下面20の凹状又は凸状の曲率は、1つ又は2つ以上の方向に設けられるものとして理解されよう。一実施形態では、例えば、かかる表面は、部分的に球形であるのが良く、それによりあらゆる方向にそれぞれ湾曲した表面が得られる。] 図17a 図18a
[0048] 図16b、図17b及び図18bは、それぞれ図16a〜図18aに示されたリング22r、リング22t及びリング22uを示している。
図16a〜図18aは、凸状に湾曲した関節運動面23を有するリング22を示しているが、かかる表面は、他の実施形態を参照して上述したように凸状に湾曲していても良いことは理解されよう。] 図16a 図16b 図17a 図17b 図18a 図18b
[0049] 本発明の円板の構造的コンポーネント、特にボール及びリングは、医学的に適当な材料、例えばチタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール(Nitinol(登録商標))、コバルトクロム合金、ポリウレタン、磁器、プラスチック及び/又は熱可塑性ポリマー(例えば、PEEK(登録商標))、シリコーン、ゴム、カルボサン(carbothane)又はこれら任意の組み合わせで形成されるのが良い。加うるに、ボール及びリングは、それぞれのシェルの残部と同じ又はこれとは異なる材料で作られても良いことは理解されよう。例えば、ボールは、チタンで作られ、リング及び両方のシェルは、PEEK(登録商標)で作られても良い。種々の他の材料及び他の材料の組み合わせは、当業者には知られているであろう。]
[0050] 理解されるように、そして上述したように、本発明は、任意の数の所望の運動特性に適合するよう種々の仕方で改造可能である。即ち、ボール及び/又はリングの形状、位置及び寸法は、脊柱の種々の椎骨間軟骨結合に合わせて選択可能であり、運動の程度及び方向をもたらし又はこれを制限するために自由に設定できる。本発明の種々の特徴及び実施形態を本明細書において説明すると共に/或いは図示した。当業者には理解されるように、かかる特徴及び実施形態の種々の組み合わせを人工椎間円板の要求及び要件に応じて利用できる。さらに、図は、本発明の実施形態を説明する目的で種々の実施形態を図示しているが、図示の相対的又は絶対的寸法は、本発明の範囲をいかなる意味においても制限するものではない。]
[0051] 上述の説明はリングを備えた上側シェル及びボールを備えた下側シェルに焦点を当てているが、この逆の関係も又使用できることが当業者には明らかであろう。即ち、他の実施形態では、上側シェルがボールを有し、下側シェルがリングを有しても良い。]
[0052] 上述の円板の任意の骨接触表面(例えば、シェルの外面)は、骨の内方成長及び/又は隣接の骨構造体への付着を促進し又は高めるために模様(テキスチャ)、処理又は被膜を備えるのが良いことは当業者には明らかであろう。例えば、かかる表面は、粗くされた又は溝付きの模様を備えると共に/或いは骨成長促進剤で被覆されても良い。]
[0053] 加うるに、本発明を椎骨間の軟骨結合に関して説明したが、本発明は、他の関節、例えば膝関節に同じように利用できる。]
[0054] 本発明を或る特定の実施形態を用いて説明したが、これらの種々の改造例は、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されている本発明の目的及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本願において提供される例はどれでも、本発明を説明する目的にのみ設けられており、本発明をいかなる意味においても限定するものではない。本願に提供されている任意の図面は、本発明の種々の観点を説明する目的上添付されているに過ぎず、縮尺通りに作成されているものではなく、或いは、本発明をいかなる意味においても限定するものではない。本明細書において言及した全ての先行技術を参照により引用し、これらの開示内容全体を本明細書の一部とする。]
权利要求:

請求項1
脊柱の隣り合う上側椎骨と下側椎骨との間に植え込み可能な人工椎間円板であって、前記人工椎間円板は、‐第1及び第2の互いに協働するシェルを有し、前記シェルの各々は、対向した内面及び互いに反対側に差し向けられた外面を有し、前記外面は、前記椎骨に当てて配置されるようになっており、‐前記第1のシェルの前記内面は、凸状突出部を備え、‐前記第2のシェルの前記内面は、関節運動面及び前記第1のシェルと前記第2のシェルを組み合わせたときに前記凸状突出部を受け入れるようになった運動制約リングを備え、使用の際、前記第2のシェルの前記関節運動面は、前記凸状突出部に接触してこれに当接し、前記リングは、前記凸状突出部と前記第2のシェルの相対運動を制約する、人工椎間円板。
請求項2
前記第1のシェルに設けられていて、前記突出部と前記リングの相対運動を制限する少なくとも1つの運動制限手段を更に有する、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項3
前記少なくとも1つの運動制限手段は、前記突出部と前記リングのそれ以上の相対運動を阻止するバリヤを含む、請求項2記載の人工椎間円板。
請求項4
前記少なくとも1つの運動制限手段は、前記突出部と前記リングの相対運動を可能にする次第に増大する運動抵抗体を含む、請求項2記載の人工椎間円板。
請求項5
前記リングは、形状が全体として円形である、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項6
前記リングは、形状が全体として長円形である、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項7
前記リングは、前記人工椎間円板の使用中、前記凸状突出部に接触する接触面を備え、前記接触面は、凸状に形作られている、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項8
前記リングは、前記人工椎間円板の使用中、前記凸状突出部に接触する接触面を備え、前記接触面は、凹状に形作られている、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項9
前記第1のシェルは、前記第1のシェルと前記第2のシェルを互いに押圧する圧縮力を吸収する力吸収手段を含む、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項10
前記力吸収手段は、機械ばね又は弾性材料から成る、請求項9記載の人工椎間円板。
請求項11
前記力吸収手段は、前記第1のシェルと前記凸状突出部との間に設けられている、請求項10記載の人工椎間円板。
請求項12
前記凸状突出部は、前記力吸収手段の少なくとも一部分を収容するキャビティを有する、請求項11記載の人工椎間円板。
請求項13
前記力吸収手段は、前記第1のシェルと前記第1のシェルの前記外面との間に設けられている、請求項10記載の人工椎間円板。
請求項14
前記第1のシェルは、前記第2のシェルに対して角度をなして配置された内面を有する、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項15
前記第2のシェルの前記第2の内面は、凹状に形作られている、請求項1記載の人工椎間円板。
請求項16
前記第2のシェルの前記第2の内面は、凸状に形作られている、請求項1記載の人工椎間円板。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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